第3話

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「でも、なんか震えてない?」 「そうですか?」   それは “武者震い”というやつかもしれない。 「気のせいですよ。 もしくは、外が寒かったからです」 「そう? じゃあ、手出して。 俺が温めてあげるよ」 「結構です」 「相変わらずはっきりしていて、気持ちがいいね、君は」 「どうも」 私は今、 まるで一世一代の大勝負にやってきたかのように 良い意味で久々に緊張している。 これは自分と対等に張り合って 戦える相手と出会った時に感じる感覚と似ている。 私の策に彼はどうでるだろう。 勝つか、負けるか。  白黒はっきりつける時が来た。 そうよ、 これはもはや戦いよ…!
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