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キジトラは、最近 京にやって来た人間の飼い猫らしい。
飼い主に似て、乱暴的で態度も高圧的だと言う。
【ちぎれ】から、大体の話を聞いた俺様は、早速 壬生寺に向かった。
今日の様に暖かな日は、寺の境内で女猫を侍らしているだろうとの事だ。
寺にやってくると、境内の一番高い所で キジトラは嫌がる女猫を押さえ付けていた。
周りにいる他の猫達は、身体を小さく丸めて怯えていた。
[嫌がる女猫を無理矢理とは、ちと、情けなくねぇ?]
俺様に気付いた キジトラは、女猫に噛みついていた口を離すと、ニヤリッと笑う。
[これは、これは… 嫌よ 嫌よも好きの内と申しまして…
ヒトのナニを邪魔なさる 貴方の方が不粋ではありませんか?]
うわっ
言葉遣いだけは馬鹿丁寧だが、ヘドがでる…
[あ~わりぃ…何言ってるかサッパリわからねぇ
とりあえず、気分悪いから消えろ]
俺様が言い終わると同時にキジトラが飛びかかってくる、咄嗟に身構えたが、ヤツが高い位置から飛び降りた事と、俺様よりデカイ身体に 呆気なく弾かれてしまう。
[おやおや…威勢が良いのは口だけの様ですね]
勝ち誇った様にキジトラは、俺様を見下げる。
[で?言いたい事はそれだけか?]
何事も無かった様にキジトラの前に立つ。
反撃開始だ。
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