粉雪

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[さぶっ…] どぉりで冷え込むと思ったら、雪かぁ… きゅるきゅると 食べ物を催促する腹の音を無視して、小雪が舞い始めた京の町をフラフラとさまよっていた。 ここ数日 食べ物らしいモノは口にしていない。 それと云うのも、俺様の餌場だった あの魚屋が犬っころなんて飼い始めたからだ。 ったく… あの犬っころの方が、よっぽど大飯喰いじゃねぇかっ💢 つくづくあの魚屋は馬鹿だ。 店の前で愛想を振り撒く犬っころを横目に、ブツブツと毒づきながら裏通りへと足を向けた。 人通りも少ない道の先にある廃寺が俺様の住みかだ。 こんな日は、住みかでおとなしくしてるに限る。 それにしても… 腹へったぁ…
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