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ズシャッ…
「うっ…くぅっ」
男は、顔を上げると同時に
手にした砂を近藤さんの顔に投げつけた。
目に砂が入り顔を覆う近藤さんを蹴り上げると、刀を抜いて振りかぶった。
「悪く思うな。これも天誅故…」
[ふざけるなっ💢卑怯な真似しやがって]
俺様の小さな身体で ヤツに体当たりしたところで どうにも成らない事くらいわかってる…
でも、足が勝手に動いてたんだ…
近藤さんを死なせたくないって…
ドカッ…
大きな衝撃に瞑っていた目を開く…
男は、俺様に突き飛ばされた衝撃で壁に頭をぶつけて気絶している…
あれ?
なんか変?
ゆっくりと近藤さんに視線を戻すと、近藤さんも びっくりした顔で俺様を見上げている…
ん?
見上げている?
近藤さんから自分の前足に視線を移す………………………………!
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ~」
俺様が見たのは、ツルツルとした少し浅黒い五本の指が付いた【人間】の手だ!
慌てて全身をまさぐるが、俺様の艶やかな漆黒の毛並みは頭部にその面影を残すのみで全身がツルンツルン…
「君…大丈夫かね?」
近藤さんの声に我に返った俺様…
つか…
真っ裸で立ちすくむ俺様って間抜けじゃね?
なんだか、無性に恥ずかしくなって、俺様はその場を逃げ出した。
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