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信長をきっかけに、悪い話ではないはずなのに、武将達は耳を貸さず去っていく。少女はそれを静かに眺めていたが、最後に残った一人の武将に声を掛けた。
『……小早川秀秋』
「ひ!」
『あなたは、他の人間と違いますね。分かるでしょう? 世界の、意志が……』
「でも未来の寺子屋って、何をするんでしょうね?」
寝床のある部屋を見つけ、信長が長可を寝かせ一息つくと、蘭丸は首を傾げる。
「未来から来たなど、世迷い言も大概よ。しかし、未来の力でもなければ、説明できぬものがあるのも確か。どちらにせよ長い争いになる。学園生活とやらを楽しむのも粋かもしれんな」
「楽しむなど、そんな無茶な」
「はっはっは、是非に及ばず!」
否応がなしに、これから武将達の学園生活が始まる。しかし武将達は決して未来に屈するわけではない。これは、自らの手で掴む栄光を取り返すための争いの始まりでもあった。
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