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そして、どこからか降る雷。
「ぎゃああああ!」
二人揃って黒こげになるところまでが、学園生活のお約束だった。
信長は味噌汁を飲み干し、二人を一瞥すると箸を置く。
「長可とやり合える豪胆さ、さすが独眼竜よ。仲良きことは良きことかな」
「あれは、仲がいいと言えるのですか?」
「蘭にはまだ分からぬかもしれんな。男には、いがみ合う友情もあるぞ」
「は、はあ……」
小十郎に説教される政宗や、諫める光秀にも噛みつこうとする長可を見る限り、とてもそのような可愛らしい関係とは思えなかった。
「ったく、未来人の野郎め……」
昼休みが終わり、五時限目。抜け出せばたちまち雷の餌食になるため、皆仕方なく出席していた。それは、長可も同じである。
『今日は、未来の絶対母国語の授業です。今こそ翻訳機にて誰とでも会話が出来ますが、いずれ「マザー」の言語を使いこなせなければならない日が来ます。頑張りましょう』
講師として教壇に立つのは、未来人である「マザー」の配下。これは必ず金髪の少女で、皆同じ顔をしていた。
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