第十二章

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そういう日が続き、隊士たちの間ではこんな噂も流れた。 夜な夜な誰もいる筈のない道場で木刀がぶつかり合う音が響いていると… 何か知らないかとみんなに聞かれるが私は分からないと答えた。 でも…… 「霊でもいるんですかね…」 「ミテおきますね。」 とだけ答えた。 その正体は霊でも妖でもなく私なんだけれど… そして、私はいつも通り何事もないかのように過ごした。 自分でもよく倒れないな…と思うほど… 「志帆、甘味処に行こう?」 沖田さんは私の返事を聞かず、手を握って歩き出した。 だから、そんなに早く歩いたら…… ベチッ… 私、転んじゃうんだ… 「あぁ、ごめん。どんくさいもんね…」 沖田さんはわざとらしく私の顔を見て、ニヤリと笑う。 私はキッと睨んでまた歩き出した。
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