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「みんないい人ばかりなのに…」
『僕たちの姿が見えないからしょうがないんだ。』
私は溜め息を吐いた。
霊は色んなことを知ってる。
そして、私に教えてくれる。
私はいつも一人。
あ、でもみんながいるから…
『志帆、誰か来るよ…』
私は耳を澄ませた。
聞こえてくる足音。
それは一人の足音…
一歩、また一歩と近付いてくる。
「あ…?ガキか…」
私を見るなりいきなり溜め息を吐かれた。
人の容姿を見てがっかりするって…
ただ、現れた人は綺麗な顔立ちをしていた。
でも、眉間に皺が寄っている。
『あれは…新撰組の土方歳三。鬼副長と呼ばれているよ。』
幽霊たちはいつもよりざわざわしていた。
私は霊の方を見た。
この人のことが怖い…?
「怖い人…?」
『僕には何とも言えないよ…。でも、人によって見方は変わる。』
私はもう一度土方さんという人の方を向いた。
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