第一章

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「みんないい人ばかりなのに…」 『僕たちの姿が見えないからしょうがないんだ。』 私は溜め息を吐いた。 霊は色んなことを知ってる。 そして、私に教えてくれる。 私はいつも一人。 あ、でもみんながいるから… 『志帆、誰か来るよ…』 私は耳を澄ませた。 聞こえてくる足音。 それは一人の足音… 一歩、また一歩と近付いてくる。 「あ…?ガキか…」 私を見るなりいきなり溜め息を吐かれた。 人の容姿を見てがっかりするって… ただ、現れた人は綺麗な顔立ちをしていた。 でも、眉間に皺が寄っている。 『あれは…新撰組の土方歳三。鬼副長と呼ばれているよ。』 幽霊たちはいつもよりざわざわしていた。 私は霊の方を見た。 この人のことが怖い…? 「怖い人…?」 『僕には何とも言えないよ…。でも、人によって見方は変わる。』 私はもう一度土方さんという人の方を向いた。
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