第一章

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「なん、でも……ないです…」 私は神社から離れた。 この人は怖いとかそういうことじゃない。 危ない… そんな気がした。 兎に角、誰もいない場所を探した。 着いたのはやっぱり、森の中。 あの神社、結構誰もいなくて気に入ってたんだけどな… 『志帆、大丈夫?』 「うん……。初めて会った…。あんな人に…」 私は何でも見透かされそうなあの目が怖かった。 新撰組…… 人斬り集団…… 怖い人の集まり。 近付けば斬られる… そんな話をよく聞く。 でも、そんな無闇に人を斬るようには私には思えなかった。 「久しいな、志帆。町にいたのではないのか?」 「鞍馬の天狗さん…。いたけど、私には居辛くて…」 真っ赤な顔に長い鼻。 そして、山伏の服を着ている。
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