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「なん、でも……ないです…」
私は神社から離れた。
この人は怖いとかそういうことじゃない。
危ない…
そんな気がした。
兎に角、誰もいない場所を探した。
着いたのはやっぱり、森の中。
あの神社、結構誰もいなくて気に入ってたんだけどな…
『志帆、大丈夫?』
「うん……。初めて会った…。あんな人に…」
私は何でも見透かされそうなあの目が怖かった。
新撰組……
人斬り集団……
怖い人の集まり。
近付けば斬られる…
そんな話をよく聞く。
でも、そんな無闇に人を斬るようには私には思えなかった。
「久しいな、志帆。町にいたのではないのか?」
「鞍馬の天狗さん…。いたけど、私には居辛くて…」
真っ赤な顔に長い鼻。
そして、山伏の服を着ている。
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