第一章

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◇◇◇ 「土方さーん、知ってますかー?」 「なんだ、総司。俺は忙しいんだが?」 総司は俺の部屋に居座っている。理由は分からないが… そして、畳の上をゴロゴロしている。 俺の仕事を邪魔しにきたっていうのか。 「最近、子供たちの間で面白い噂があるんですよ。」 「で?それが何だっていうんだ。」 ガキの相手をしてるほど暇じゃねぇんだよ。 まぁ、面白いガキには会ったがな… 総司は起き上がって得意げに話し始めた。 「最近、一人の女の子がいるらしくて、その女の子はいつも一人で話してるんです。まるで幽霊でもいるように…」 総司はこわーいなどと言っていた。 人を斬って笑っているお前の方がよっぽど怖いってのに… 幽霊…ねぇ…… それも一人でか… 今日、俺が会った奴にそっくりじゃねぇか? 「総司、そいつは死んだような目をしていないか?」 「あれー?土方さん、興味ないんじゃなかったんですかー?」 俺は筆を置き、総司を睨んだ。
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