第六章

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◇◇◇ 「望月!」 俺は倒れそうになった望月を支えた。 少し深く斬られたか…? 俺は抱き抱えた。 そして、屯所まで急いだ。 その途中だった。 「志帆!……くそっ…!」 さっき現れた奴が来た。 悪いやつ…ではなさそうだ。 そいつは俺に視線を移した。 「あんたは……誰だ?」 「茨木童子。志帆をずっと守ってきた妖怪だ。絶対に許さねぇ……」 望月の頭を一撫でして屋根まで跳び、何処かに行ってしまった。 妖怪…… 本当にいたのか… 俺たち人間となんら変わらない姿をしていた。 俺はハッとした。 こんなことを考えている場合ではない。 望月の顔色がどんどん悪くなっていく。 「死ぬな……」 屯所に着くとお結が立っていた。俺に抱き抱えられた望月を見て血相を変えた。 「誰にやられたのじゃ…?」 「俺が着いた時にはもう怪我を負っていた。……だが、恐らくこいつの父親を名乗っていた奴に……」 「元禄……!許さぬ…。斎藤、妾は少し留守にする。その間、志帆を頼むぞ…」 お結は優しい笑顔をして望月を撫でた。 そして、すぐにその顔は無表情へと変わった。 何処かに行ってしまった。
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