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今迄、散々、裏切られた。
その分、誰かを裏切っても来た。
信用した分、同じ数、裏切られた。
無理やろ?もう。
信じるんもシンドイ。
あぁ。
そっか。俺、女性不信なんかも。
いつも、誰かを疑ってるもんなぁ。
既にキッチンに戻ったアカネを横目で見る。
相変わらず、外は真っ白で、客は俺だけで。
フッたオンナと、こんな話したん、初めてやな。俺。
「……うま」
このメシが無ければ、あの日で接点すら断ってた相手。
正直、ほんまは関わらんのが一番なんやけど、な。
どこまで、本気やったんやろ?
もし、本当に、「俺」を好きなんやったら、酷な事、してるんやろな。
やけど、あの傷ついた様な表情が演技なんやったとしたら、……もう本格的な女性不信になる気ぃする。
応える気もないクセに、演技なんは腹が立つ。と思う俺は、しょーもない男やなぁ。
「ごめん、な」
呟いたんは、謝罪の言葉。
キッチンに居るアカネには届かない。
自分でも、何でソレが口を吐いたんかも解らんけど。
傷つけてるんやろな、きっと。
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