Vol.07

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  ジャンクフード。 俺が、遊ぶだけのオンナを、隆也はそう例える。 最近になって、巧い例えやったんやな。と、納得。 何も考えず、食いたい時に食うだけ。 最低とののしられるんは、別にかまへん。 簡単に食わせるオンナを、こっちは最低やと思ってるし。 お互い様や。 傷つくのはオンナの方? よぉ言うわ。散々、こっちを利用して傷つけるクセに、被害者ぶるスキルだけはやたらと高い。 せやから嫌いやねん。オンナは。 「芳崎さんは、お幾つなんですかぁ?」 「……28歳だけど」 「あ、知ってます?男女の理想的な年齢差って5歳なんですよ?私、23歳なんですぅ」 職場のヤツらの合コンに付き合わされて、久々の賑やかな店での飲食。 あぁ、朱音のメシが食いたい。 アカン。 薄々気付いてはいたんやけど、……俺、あの店以外での外食が苦痛になってるわ。 まぁ、メシもそうやけど、コイツらにも食指は動かんしなぁ。 結構、清らかな生活してんなぁ。最近。 枯れたんやろか?俺。 「好みのタイプって、どんな女性ですか?」 や。 単に、コイツらが俺の好みやないだけやろ? ……ちゅうか、好み、なぁ。 好みのタイプ。 遊ぶオンナやったら、まぁ、不潔やなくて、外見重視で、いかにも。なのばっか選んでるけどな。 「芳崎さん?」 「……あー。料理の上手な子。かな?」 「え?私、肉じゃがとか得意ですよ?作りましょうか??」 一緒に居たいオンナは、確実に違うしな。 俺の理想ってどんなオンナやっけ?? しっかし、不味いメシやな。 コレ、金とったらアカンやろ? よぉ、今迄こんなん食ってたな。俺も。 来週はハンバーグか。 あぁ、土曜日の夜も居てる言うてたな。そう言えば。 明日の夜でも行って口直しするんも手やな。 まぁ、店の味。なんやろうから、朱音が居てなくてもえぇんやろうけど。 今更、毎週金曜日。ちゅうんを変えるんもなぁ。 「好きな食べ物って、何ですか?」 「……特には」 「好き嫌いないんですか?」 ちゃう。 好き嫌いはめっちゃあんねん。自慢やないけど、偏食やしな。 ついでに、オンナも偏食やし。 「今度、うちに遊びに来て下さいよ。芳崎さんが好きなモノ作りますから」 あぁ。 何や、邪魔くさいな。この子。 「……え?どこ行くんですか?」 「トイレだけど?」 メシも不味いし、厄日か?  
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