あとがき

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  今、何て言うた? 何もしない? 何もて、何?? 「朱音?」 「……やっぱいい。ごめん、何でもない」 そう言って、立ち上がるけど。 ちょぉ、待て。 どぉゆー意味なん?今の。 何もしないの?ちゅう事は、何かしてもえぇ言う事か?? ん?? 「じゃ、私、帰るね?」 「っ、ちょ、ちょぉ待てや!」 「何?」 突然、帰ろうとする朱音の腕を慌てて掴んで引きとめる。 「何?や無い。何で、ここで帰る。になんねん」 「何で。も、何も、いっつも帰ってる時間じゃない」 時計を見れば、確かに、いつも帰ってる時間やけど。 「そぉやけど。違うやろ」 「何が?」 「今、何で何もしないの。言うた、よな?」 聞いた俺に、今度はため息が返って来る。 「言ったけど。別に気にしないで」 「気にするやろ!」 大体、何もしてない訳やないやろ? 告白もキスもしとる。 その先は、朱音が信じる迄はせぇへんって約束したから、長い禁欲生活してるんやろ?? 「気にしなくていいってば」 「俺、言うたよな?朱音が信じる迄は、何もしぃひんって。朱音、信じたん?」 「…………」 また、無言。 つまりは、信じてない。ちゅう事やろ? 「解った」 「な、にを?」 何度、好きや言うても、何度キスしても、信じひんのやったら、もう方法は一つやん。 「っ、な、何?」 「してえぇんやろ?」 「え?ちょ、」 帰ろうとした朱音を抱きかかえて、そのまま寝室へ向かう。 「ちょ、蓮?」 「言うて信じひん。キスもアカン。せやったら、伝える方法なんて、コレしか残って無いやろ?」 「……、ちょ、」 「それに、誘ったんは朱音やで」 「違っ」 何もしないの? なんて、何かしてえぇ。ちゅう事やろ。 せやったら、嫌っちゅう程、伝えるしかないやん。 「違わん」 「ちょ、蓮っ」 「めちゃめちゃに愛したるから、安心しぃ」 「無理!今の言葉と顔、全然、安心出来ないっ!!」 失礼やな。 可愛さ余って何とやら。やで? 「ホンマに嫌なんやったら、無理強いはせんで?」 「っ、」 「嫌なんやったら、全力で抵抗しぃ」 「……卑怯者ぉ」 その言葉は、合意と取るからな? 「朱音は大人しく、俺に愛されとき」 「……本当に、愛はある訳?」 ほぉ。 そーゆー事を言うんや。 「朱音」 「な、に?」 「寝れると思うなよ?」 「は、い??」 たっぷり、愛したるから覚悟せぇよ? [The end]
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