俺は別に知りたいわけじゃなかった!!

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始まりいつのことだったか。 俺には前世の記憶がある。 こんなこと言ったら大抵の人間は頭の心配をするだろうが俺は至って正気だ。 いつから、なんて正確なことは覚えてないが物心着いた頃には俺はどこかおかしかった。 当然俺はそのころ小さな子どもで身体も小さくて、思考も言動も拙いのが普通で、わからないこともたくさんあって、精一杯生きていたはずなんだろう。 周りに助けられながら少しずつできることが増えていくのが普通のはずだ。 ただ俺はそんな思いや行動の覚えが一切ない。 頭の中では自分の体が小さいことに違和感を感じていたし、周りの大人と会話することだってできたし、思うように舌が動かず言葉が操れなくて気持ち悪いと思ったし、周りの友だちたちが知らないこともたくさん知っていた。 できないことはあったけどやり方もわかってた。 明らかにおかしい。 そしてもっと言うと俺が小さい時には頭の中で常に何かの記憶がぐるぐると浮かんでいた。 自分が生きているこことは全く違う、どこか遠い世界の遠い記憶。 こんな時代。こんな世界。確かな記憶なんかじゃなくて、ぼんやりとしたもの。 そして。一度目にその遠い記憶の手がかりを得たのは五歳の時。 当時はやっていた子供向けのレンジャーものの番組。 あれに出てくる悪者が持っていた"刀" あれに強いデジャヴと違和感を感じた。 ー『あいつの刀の使い方はおかしい。あれは俺が持つべきだ。俺ならもっとうまく扱える」ー 五歳児が考えることじゃないだろう。
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