『憧れ』

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『最強にして最悪の海賊だ』 宇宙に住む人々は、口々にそう唱え、恐れをなした。 彼の通り名は『獣面海賊マックス』 虎の顔を持つ、3mを悠に越す体躯を持つオトコだった。 『今日も子分共を連れて、宇宙を所狭しと暴れてやる』 策謀や知恵などとは無縁。頭よりも腕力自慢達が集まる海賊団。それがマックス海賊団。 その勢いは留まることを知らず、行く先々の星の王様は、彼に平伏すばかりか、宇宙パトロールの一部でさえも、彼の行動を見逃す代わりに賄賂を受け取っていた。 奪った財宝は星の数、さらった女は数知れず。好き放題やれるのも、彼の強さが世界一、いや、宇宙一だという証拠だろう。
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