『憧れ』

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「どうだ新入り。海賊稼業もなかなかのものだろう。そもそもお前は他の海賊団じゃなくて、なぜおれの海賊団に入ってきた」 「はい、憧れてです」 「わははは、それはいい。おれもそれくらい有名になっちまったのか。なぁ、おめぇもそう思うだろう」 バンッと肩を叩かれた子分は、くわえていた骨付きステーキの骨をガチンと噛んだ。 「お、おやぶん……そうですぜ、人徳が宇宙に広がってるんですぜ」 上機嫌なマックス海賊団は、更に悪事の限りを尽くした。向かった惑星が99個目の星の時に事件は起きた。 「親分、大変だ。アンドレのチームがやられちまった」 マックスは大型の光線銃を右手に、宇宙船を飛び出した。付き従うのは新入りを含めた多くの子分たちだ。 「アンドレを殺った野郎はどいつだ、アステロイドベルトに骨を砕いてばら撒いてやる」 憤るマックスに進言した者が一人居た。 「あっちの家ですよ、宇宙船から見えました」 『よし』とマックスは意気込み、その巨体を支える太い脚を走らせた。赤い土をした荒野に青い屋根の一軒屋が見えた。
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