『憧れ』

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扉を蹴り飛ばし、勢いよくマックスは突入する。仲間もぞくぞくと中に押し入った。 「いねぇじゃねぇか、どこに居る」 「あれ、そういえば、新入りの野郎が居ないですぜ」 その時、まばゆい光と轟音と共に、家の周り覆い囲むように、紫色をした電磁バリアが張られた。 球状になっているバリアは、いかなる者でも突破出来ない。 謀られた、マックスは察知し、そしてバリアの外に新入りの姿を見た。 「お前、どういうことだ。憧れておれの海賊団に入ったんじゃないのか」 「ええ、憧れて入りました。おとり捜査に憧れて。腕だけあれば『出自』は関係無いって触れ込みでしたから、本当で驚きました。入団してから一度も名前すら聞かれていませんから」 腕っぷしだけでのし上がるには、宇宙という大舞台では難しいらしい。いや、小規模な小競り合いでも難しいだろう。 マックスは子分を殴り飛ばし、素直にお縄についたそうな。
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