ー1ー漫研とのコラボ

1/9
前へ
/410ページ
次へ

ー1ー漫研とのコラボ

 「で?話って、何?」    生物科準備室で西日を背負った深澤先生が相変わらずの黒縁眼鏡を左手の人差し指で押し上げながら椅子ごと振り返った。  キャスター付きの椅子の背もたれに腕を掛け、肘を突き出した姿が何とも言えない。  カッコイイな―、顔、隠れててもこれだもんなー。       その先生と私、橘柚衣が付き合っているなんて。私自身だって時々信じられなくて、目が覚めたら全部夢でしたってなりそうで怖くてたまらないって言うのに…。    「ん?なんでほっぺた抓ってんだ?」  「あ、いえこれは、何でもないです。はは。  えーっとその…」    どう切り出そうか言いよどんでいると、先生が無言でおいでおいでをしている。  うわー。  先生のおいでおいで……威力半端ない。  
/410ページ

最初のコメントを投稿しよう!

689人が本棚に入れています
本棚に追加