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「郁人さんは教えてくれたんだ! 僕は今まで生きてなんかいなかったことを。
僕が生きるためには、死を知らなきゃならないんだ。死んだら、それまで生きてたってことが分かるだろ? 死を見ることで、生を実感するんだ。
すごいんだよ、郁人さんはすごいんだ、郁人さんがいなければ、僕はまた死ななければならない。そのくらいならいっそ……」
ふいに、後方のドアが開いた。
「うおっ!?」
体勢を崩した拍子に、宇佐美が腕の中から逃げ出した。
宇佐美が入り込んだのはバラの香りがする部屋。
白いドアの向こうには白いカーペットに白いカーテン、白い化粧台に白いベッド……×印の付いた部屋とは対照的な、一切の汚れを許さないような真っ白な部屋だった。
そこには、ベッドの上に座っている亜美と、亜美に抱かれた。
「由羽!!」
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