第7話

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   掴まれた胸を、強く押し上げられる。  痛いだけなのに、それでも真田の強い感情が伝わるから、思わず口唇を開いた。  待っていたかのように真田の舌が滑り込んで、粘膜をさぐられる。  口唇は少し冷たいのに、口の中はあたたかい。  ──あ。車、停まってたんだ。  そんなことに今頃気付いた。 「お前、目だけで煽るとかどんな上級者だよ」 「え……あっ、ん」  掴まれていた胸がやわやわと包み直されて、思わず声が漏れた。 「夜まで、大人しくしてろ……バーカ」  言いながら、真田は一瞬で気持ちが高まるようなキスを繰り返す。  目で煽るなんて、覚えがないけど。  真田がそう思ったなら、別にそれでいいと思った。 .
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