第7話

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  「ゆうまく……あ、いえ」 「ちょっと」  突然受付嬢同士で顔を見合わせて、クスクスと笑い出した。  ……ゆうま?  何?  今、“祐馬くん”って呼ぼうとしたの? 「ごめんなさい。真田さん。聞いてます」 「……どうも」  ダウンジャケットの背中でも判る。  真田は今、無表情だ。  愛想も何もなく、真田は軽トラのキーを受付に返した。 「これ、お願いします。……斎賀さんは?」  真田が普通に口にするものだから、驚いて二度見してしまう。 「お預かりしますね。リコちゃんは早番だったんで、もう上がりましたよ」 「あ、そうですか。どうも」 .
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