第7話

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  「口唇、尖らせんな。  咬みついてやろうかと思っても、  カメラ付いてるからな、ここ」 「……何考えてんの」 「女が口唇尖らせてたら、誘ってるように見える」 「……バカじゃないの。別に今は誘ってなんかないよ」  言ってから、自分の迂闊な発言にハッとする。 「“今は”……ってことは、あるんだろ? 誘ったこと」  はん、と真田は喉の奥で低く笑った。  ちょうど目の高さにある喉仏がひくり、と動いたのがいたたまれなくて、慌てて目をそらす。 「なんなの、真田……最近、そんな話ばっかり」 「お前見てるとやりたくなるからしょーがねーんだよ」 「……!?」  チン、と音が響いてドアが開いた。  真田はその隙間を滑り抜けるようにさっさと出て行ってしまう。 .
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