第7話

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   置いて行かれそうになって、慌ててあたしも出た。  誰もいないエレベーターホール、真田は足早にフロアに戻ろうとする。 「待ってよ」 「6時15分。駅の方の通りの四つ角な」 「え?」 「来るんだろ」  低い声で勝手に決めてしまうと、真田はちょっとだけ振り返ってあたしの顔を見た。  その瞳によからぬ光が宿っているのが見えて、身体の奥がゾクリと粟立つ。 『お前、目だけで煽るとかどんな上級者だよ』  ……上級者は、真田の方でしょ。  気になることは、まだ 頭の後ろの方でグルグルしてた。  だけど、今はいい。  まだ、確信なんていらない。 .
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