第7話

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   いきなり訊かれて、顔を上げる。  真田はまっすぐこちらを見ていた。 「いや。そんな話したこともなかったから。今、実家?」 「あ、ああ……そういうこと……」  ハラリと頬に落ちてきたサイドの髪がむず痒くて、指先で耳にかける。 「実家出て、マンション住まいだよ。3人で住んでる」 「3人?」  目の前の信号が、青になる。  真田は前を見て、ゆっくりと発車させた。 「覚えてない? 前田飛鳥と、毛利芹香。今、3人で住んでるの」 「お前ら、まだつるんでんのか」 .
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