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真田の小指が、責めるようにあたしの内股を軽くなぞる。
数秒そこで迷ってから、真田は手を引っ込めた。
「危ない言い方すんな。
……夜まで待てなくなるだろうが」
「……っ」
確かにそういうつもりで言った、けど。
もう一度、真田の横顔を見る。
彼は口唇をきゅっと噛みしめて、前だけを見ていた。
夜まで待てなく……って。
自分で思っているより、真田はあたしのことを欲しがってくれてたりするんだろうか。
ひょっとしたら、欲しいのはあたし自身じゃないのかも知れない。
“彼女がいるのに、他の女と”っていう、火遊びみたいな関係や時間なのかも知れない。
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