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だけど、自分のしていることを斎賀さんに見せつけて、あの笑顔を歪めたいわけじゃない。
真田を困らせてみたいって気持ちなら、なくはないけど。
でも、これは真田とあたしの間のことだ。
“彼女”って立場とか斎賀さんとか園田さんとか、最初から関係ない。
運転している真田の顔をじっと見つめ続けていると、彼はふいに舌打ちをした。
「え」
驚いて身をすくめると、ガクンと車が揺れる。
真田は荒っぽい手つきでバチンとシートベルトを外すと、あたしに覆いかぶさった。
「さな……」
名前を呼ぶ間もなく、口唇を塞がれる。
同時に真田の手はあたしの胸を掴んだ。
「んぅ……っ!」
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