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幸いにも怪我をした最年長二人組以外は誰も問題はなく、後のことはトパズとダイチで預かると言って他の子達を家へと帰した。武器は取り上げ、内二人は気絶。牢の中で抵抗する手段もなく、もう安全であると判断した上でのことである。
そして自室のベッドで寝ていたマリンは、すぐそばでずっと見守ってくれていた双子の姉に泣きながら抱きしめられ、テンパり要領を得ないアクアの話を聞いて自分が気絶してからどうなったのかということを知る。無論アクアも気絶していたため、最初の当たりはそれすらも人伝だが。
その後にシオンの剣へ戻り、シオン村の二位と三位の実力者(ということになっている)から詳細を聞かせてもらい、事情聴取をすることにした。
トパズも一緒にと言っていたのだが、盗賊団の中で起きているのはコハクという少女のみで、彼女と直接立ち回ったトパズが出て行っても素直に答えないかもしれないことを考え、マリンがそのことを二人に話すとダイチが賛同し、渋々といった様子でトパズは頷き、診療所へ様子を見に行くと答えた。
その後は先の通りである。
「でも、あの子……」
見えてきた診療所へ進める足は緩めずにマリンは知らず知らずの内に呟く。
「強いだけじゃない。底が知れないっていうのは、こういうことよね」
あの小さな体に秘められた正体は一体何なのだろう。戦神ブラックダイヤ様の御使いだと言われても納得してしまいそうだ。
「こんにちは」
中へ入り、入ってすぐにある椅子の上でうつらうつらと寝こけている医者に小さな声で挨拶をして病室へ入る。人員が少ないだけにこの村で入院しなければならないような事態に陥る者は滅多におらず、診療所の規模も小さい。そのため病室は一つだけだ。
扉を開けて中へ入ると、案の定狭苦しくベッドが三つ並べられている。手前からルビア、サフィ、そしてヒスイと並んでいる。
「お、マリン」
ベッドに身を預けているルビアが気さくにもそう声をかけてきた。奥の二人はぐっすりと眠っている。ルビアとサフィの手当てはしっかりされているらしく、部屋の外で舟を漕いでいた老人のタルクに感謝し肩を竦めて見せる。
「寝てなくていいの?」
「部下達に頑張らせて兵長が楽するわけにもいかないだろ」
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