戸惑い

2/9
前へ
/23ページ
次へ
2回目の練習日―――。 「れお!楽しんでおいで!」 繋いだ手を離し背中を軽く押すが、れおはすぐに立ち止まる。 一日空いたせいか、また少し緊張している様子。 「ママ…」 「大丈夫だよ!いっぱい!ボール蹴っておいで!」 笑顔で返すと、れおもニコッと笑い頷いた。 少し遠くの方で、れおが沢田コーチと話しながら握手をしている。 その様子を見て私は胸が熱くなった。 いつの間に、指導者に挨拶する事を覚えたんだろう…。 子供は、こうやって親の知らないうちに成長していくんだろうなぁ。 「生田さん?」 後ろから、聞いた事のない声がする。 「はい…?」 「レオ君ママですか?」 振り返ると、背が高く細身の女性がそこに立っていた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加