第1話

戸惑い

「はい！生田レオの母です。」

「良かった！人違いだったら少し恥ずかしいところでした。私、今年度の会長をさせてもらっている。沢田と言います。火曜日の練習に来れなかったので、挨拶が遅くなりました。」

ニコニコ笑う顔が、とても印象的な方。

「あっ！会長さん…。こちらこそ…改めまして、生田レオの母です。レオも私も、初めての事ばかりでご迷惑をおかけする事もあるかと思いますが、よろしくお願いします。」

私は、頭を下げた。

「あらあら！そんなに、かしこまらないで！会長と言っても、同じ保護者だから。こちらこそ、よろしくね。」

その時だった――――。

「レオ！歩！何やってんだ！」

グランドから怒鳴り声がする。