第1話

慣れ

練習は、毎回18：00～20：00までの2時間。

20時が近付くと、ぞろぞろとママ連中がやって来る。

俺はその時間以降が嫌いだ。

べちゃくちゃ、おしゃべりに花が咲いて、ヒソヒソと聞こえる話が大声になり、子供達にまで影響する。

「(コソコソ)………考えて欲しいわよね～」

また、始まったか…。

山積みになった仕事を放置して、時間通りに練習に来る。その俺への仕打ちがこれだ。

呆れる。呆れて言葉も出ない。だから俺は保護とは言葉を交わさない。

と言うより、交わす言葉が見当たらないんだ。

あいつらは皆、俺のマイナス部分を見つけては1を100で広めてゆく。

交わした言葉に1があったりすれば、それはもう取り返しのつかないことになる。