慣れ

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保護者の声につられて、教え子達の間でもぺちゃくちゃおしゃべりが始まる。 「お前のかぁチャン、また何か言ってんぞ!」 「うっせぇなぁ!お前のかぁチャンこそ、コーチの悪口ばっか言ってんぞ!……あっ!……すみません」 俺と目が合った教え子2人は、気まずそうに下を向く。 子供は、いつだって正直だ。悪いのはこいつらじゃない。 子供の前で、俺の悪口を言う。あいつらだ。 「気にすんな!」 俺は、教え子2人の頭を右手と左手で撫でた。 (パチン!) 一つ手を叩き。 「よし!練習終わりだ!グランドの整備して帰るぞ!」 と、叫ぶ。 「はいっ!」 あ~。 ママ連中がこの調子じゃ、帰ったらまた梓の愚痴を聞かされる事になるんだろうな。
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