慣れ

9/9
前へ
/20ページ
次へ
「コソコソしてたから?」 「ちょっと。歩を呼んでくれ」 「全く!私の話は聞こえているのかしら?あなたの耳は!………歩~!歩!お父さんが呼んでるわよ~」 二階から、パジャマ姿の歩が降りてくる。 「何?お父さん。」 「お前、今日練習中に倉庫の前でレオと何をしてたんだ?」 歩が下を向いた。 「さっき、十分怒ったから正直に答えてみろ!」 歩は、小さく頷いて口を開いた。 「俺が、レオに“サッカー上手だね!”って言ったんだ。そしたら、かおるが…」 歩の声が、だんだんと小さくなる。 「かおるがどうした?」 「“レオは背が低いから、練習しても無駄だ”って…“練習しても、俺には勝てないね!”って、レオの顔面にボールを投げたんだ…。そしたら、レオ少し鼻血が出ちゃって…だから倉庫でティッシュを探してた。」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加