第1話

味方はいらない

しかし、この子は使える。

「お！れお！お前サッカー上手だな！何年生だ？」

「僕、3年生です！」

「そっか！もっともっと練習すれば、もっと上手になるぞ！コーチと一緒に頑張ろうな！」

「はいっ！」

「おぉ！いい返事だ！いくら上手くても返事も出来ないやつは、試合には出れないんだぞ！」

「はいっ！」

俺は、れおの頭をなでた。

挨拶もまともに出来ない保護者より、子供の方がよっぽど礼儀正しい。

あっちに群がる保護者とは、大違いだ！

全く何しにグランドへ足を踏み入れにくるんだか。