6人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「──だ、誰だっ!?」
野良坂達は振り返り、そして驚愕した。
窓の縁に青年、その両脇には2人の少女達がいたのだ。
「なっ…!ここは15階だぞ!?」
野良坂達が驚くのも無理はない。青年や少女達がいるこの場所は、研究所の15階。
15階への移動手段は10階にあるエレベーターしかない。
ダンッ
右側にいたサイドテールの少女はその場から素早く移動し、持谷の首を掴む。壁に押し付けられた持谷の顔は苦痛と恐怖に染まった。
「かはっ…」
「こいつら何か知ってそうだよ?どうする?」
少女は艶めかしく、喋る。
「や、やめろ!持谷には手を出すな!!」
「じゃあさ」「─っ!?」
いつの間にか青年が野良坂の真後ろに来ていた。
「D波のコト、教えてくんない?全てね♪」
「なっ!!」
野良坂の目が驚愕に見開かれる。
「ッダメです…言っては…いけませ…んっ!こいつ、らは…うあぁっ!」
持谷の制止の声も聞かず、野良坂は青年に叫ぶ。
「…っ、わ、わかった!全て話す!だから持谷を離せっ!!」
「どーっしよっかな?あ、その前にその人、持谷だっけ?邪魔だから洗脳しちゃって」
「仰せの通りに」
左側のポニーテールの少女は無表情に答えた。
無表情な少女は持谷の意識を奪い、そのまま引きずっていった。
「持谷っ!!」
「だーいじょうぶ。殺しはしないよ?事が終わったら君も、同じようにしてあげるね♪」
「ひ、ひぃぃっ」
野良坂はへなへなと崩れ落ちた。
「あははっ」
青年は笑う。
「あはははっはははあはははは……───」
覇王は狂ったように笑う。
それは、これから彼が起こす大惨事を、示しているかのようでもあった。
最初のコメントを投稿しよう!