プロローグ

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「──だ、誰だっ!?」 野良坂達は振り返り、そして驚愕した。 窓の縁に青年、その両脇には2人の少女達がいたのだ。 「なっ…!ここは15階だぞ!?」 野良坂達が驚くのも無理はない。青年や少女達がいるこの場所は、研究所の15階。 15階への移動手段は10階にあるエレベーターしかない。 ダンッ 右側にいたサイドテールの少女はその場から素早く移動し、持谷の首を掴む。壁に押し付けられた持谷の顔は苦痛と恐怖に染まった。 「かはっ…」 「こいつら何か知ってそうだよ?どうする?」 少女は艶めかしく、喋る。 「や、やめろ!持谷には手を出すな!!」 「じゃあさ」「─っ!?」 いつの間にか青年が野良坂の真後ろに来ていた。 「D波のコト、教えてくんない?全てね♪」 「なっ!!」 野良坂の目が驚愕に見開かれる。 「ッダメです…言っては…いけませ…んっ!こいつ、らは…うあぁっ!」 持谷の制止の声も聞かず、野良坂は青年に叫ぶ。 「…っ、わ、わかった!全て話す!だから持谷を離せっ!!」 「どーっしよっかな?あ、その前にその人、持谷だっけ?邪魔だから洗脳しちゃって」 「仰せの通りに」 左側のポニーテールの少女は無表情に答えた。 無表情な少女は持谷の意識を奪い、そのまま引きずっていった。 「持谷っ!!」 「だーいじょうぶ。殺しはしないよ?事が終わったら君も、同じようにしてあげるね♪」 「ひ、ひぃぃっ」 野良坂はへなへなと崩れ落ちた。 「あははっ」 青年は笑う。 「あはははっはははあはははは……───」 覇王は狂ったように笑う。 それは、これから彼が起こす大惨事を、示しているかのようでもあった。
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