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二人は前後に並ぶようにしてその道をたどった。
柔らかいまっさらな雪地に比べて、雪がない道は歩きやすいはずだったが、今の疲れきっている少女の足首にはその堅さがかえって辛いらしく、少女は途中で何度も立ち止まった。
しかしオズがチラリと振り向くと、わざとらしい伸びやら欠伸やらをして見せ、再びその足を前に進めるのだった。
そんな風に時間にすれば一刻ほど経った頃、平坦だった道がゆるやかな坂へと転じて、雪と岩ばかりだった道沿に緑の草が姿を見せ始めた。
初めのうちそれらの草々は雪から頭を出しているのか出していないのかはっきりしないほど弱々しかった。
が、坂を上がっていくにつれて大地に被る雪を貫き空へ枝茎を伸ばしたしっかりしたものに変わった。
雪と冷たさばかりわ運んでいた風が爽やかな空気と優しい春の薫りを運んできて、背中越しに少女が鼻をひくつかせている音が聞こえる。
その坂を上がりきったところで、オズは立ち止まった。
少し遅れて少女がやってきて、隣に並んでくる。
疲れきった様子で頭を上げ、その灰色の瞳を大きく見開いた。
「な、なんだよ。ここ……」
掠れた声で呟く。
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