大冒頭

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チュン.チュンチュン 「早く起きなさ~い」 朝日の光が窓から射し込み、鳥のさえずりが少し心地よく少しやかましく聞こえてくる。 季節は春、今日から晴れて高校生となる俺、牧野章瑚(まきのしょうご)。顔は中の上、頭脳はそこそこのフザけるのが好きな一般人だ。 「早く起きなさ~い。遅刻するわよ!!」 呼んでいるのは母の牧野裕子。牧野家は4人家族で、もう定年退職した父とパートと家事の両立に励む母、パートと引きこもりの両立に励む兄と、そして勉強をせずに入れる高校にテキトーに入学した章瑚だ。 章瑚の容姿は黒人のような究極の天然パーマ。黒ぶちメガネ。背丈は165cmと小柄な印象。細すぎもせず太りもせずの体型であり、運動オンチであるが、テキトーに部活は入るつもりだ。 「いや、だから早く起きろっつってんだろ」
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