18459人が本棚に入れています
本棚に追加
後に臨也は言った。『僕ちん、一生の不覚だっちゃ・・・』と。
「た、ただいまー!」
「おう、戻ったかリンヤ!」
「このドワーフの面汚しがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
扉を開けると、そこには小さい小さい、幼い子供のような体格の人間がいた。だが、それは体格だけ。それ以外のパーツは屈強の男。無造作に生えた髭にたくましい筋肉。
そんな存在が優しい笑みを浮かべて臨也を迎えていた。
「ど、どうしたリンヤ!?」
「貴様ァ!!! 今までの俺の苦労をォォォォ!!!! どう落とし前つける気だ、えぇ!?」
「お、おい胸ぐら掴むんじゃ・・・」
「あふぅ!」
あまりの展開に二人はおいてけぼりにされる。
とにかく叫んだ臨也がドワーフに掴みかかると、ドワーフは困惑しながらも難なく臨也の手首を捻り、床に叩きつけた。
そこまではいい。
二人は、ドワーフの言った言葉が未だにこだましている。
そして、ようやく振り絞るようにシェリアが口を開いた。
「え、あの・・・。今、貴方・・・。なんて言いましたか?」
「ん? 珍しくお客か? おいリンヤ、お前ようやくガールフレンドが・・・。って、ないかお前なら」
「気をつけろ。お前が死ぬときは俺に殺されるときだ」
「やっぱり・・・」
見つけた。やっと、ようやく。
二年の月日をかけて。情報がなかった状態かた、いきなりここまで辿り着いた。長かった。あの日、異物を倒した日から感じる胸の突っ掛り。それが、今一気に消え失せた気分。
の、はずだが。
「どうしたんだオメェ。そんな怒るような事を言ったか?」
「激おこさ・・・」
叩きつけられた臨也がゆっくりと立ち上がり、ドワーフとそんなやり取りをする。それを見て、シェリアは率直に思う。
この人が大切な人なのか? と。
善人か悪人か、と問われるならばだ。恐らく善人だろう。しかし、善人だけで気に入るほどお人好しではない。何よりも、この人と自分は相性が最悪だろう、と思っている程。現時点では、決して良い印象はない。
最初のコメントを投稿しよう!