再びあいまみえるは王子とオタク

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「ま、そう思うのも無理はないよな。お前らにとっては恐ろしいもんだろうけど俺に言わせればだ」 これでもか、というくらいに寛ぎかつふんぞり返りながら臨也は告げた。それはどうでもよく、早く話題を終わらせたいと言いたいばかりの口調で。 「もし危険だって思ったならその時は俺を迫害するなり殺すなりすればいい。体術や召喚獣相手なら多分、俺はあっさりやられるしな」 大したことない、つまらない話題をするような調子で彼は自らの弱点を吐露した。そんな彼を見てライクスはそっと口を開いた。 「それを聞いて信じろと?」 「え、逆に信じないの?」 「ず、随分適当に言ったね」 「リナよ、物事を語るのには真実だけを言えばいいのだ」 だからと言ってその態度は何なんだ、と全員言いたくなるがそこは留める。 グダグダとしていると、シェリアがため息を吐きながら発言した。 「もうこれくらいでいいでしょう。こうなったらリンヤの力なんてどうでもいいです」 「それは酷くね?」 「こんなちゃらんぽらんを警戒するなんて体力の無駄ですよ」 「お前俺のこと嫌いだな? そうなんだな?」 「とにかく」 シェリアは臨也の目の前に立ち他のものを真っ直ぐに見て言った。 「私は、リンヤが敵ではないということに関しては絶対に信用します」 その言葉と立ち位置には、全員大きな驚きと少しの恐怖を感じた。 シェリアが臨也の目の前に立っているその様は、彼の味方だと主張してるように見え。 その言い放った言葉と、瞳の奥の光は。他が全部敵になっても自分だけは彼の味方だと言っているようで。シェリアのそんな姿、初めてといっても過言ではない。 そんなの説得するには十分すぎた。 「くく、精々俺を守るように尽力するがいい」 「全力で叩き潰しますよ?」 臨也が図に乗り、シェリアが制裁する。この流れはこの短い時間でも度々見られ全員もはや理解していた。 決して表情はいつもと変わらずだがその時のシェリアの雰囲気は。 無邪気で、とても楽しそうだなと何となく感じ取れた。
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