最後の1ピース

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私が熱を出したその日、レント君のご両親が学校に呼び出されて、レント君にも内緒で面談が行われたそうだ。 そして、その帰り、サッカー好きの担任がレント君のお父さんのファンでサインを貰っている所を生徒達に見られ噂が広まったと……。 レント君が知ったのは球技大会のあとだと言う。 なにそれ……私、全然関係ないじゃん。 思わずがっくりと肩を落とす。 「本当にごめん。それにさ、越村が思ってるほど、俺……かっこよくないから。すぐに落ち込むし感情的にもなるし……そんなに完璧な人間じゃないよ」 「ふぇ……?」 顔を上げると、何だか泣きそうなレント君に驚いた。 「越村はサッカーをしている俺しか見てないから……普段の姿を見たら幻滅するよ」 「そんなことない!レント君いつも優しかった。サッカーをしてなくても、私はレント君に恋してたよ」 力強く拳を握りしめ、レント君に届けとばかり真っ直ぐに見つめる。
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