鼓膜の記憶②

こんな風に、不健康なくらい色んな細やかな事を玲子さんに当てはめて考えてしまう。

覚えたての十代の頃よりもセックスの事ばかり考えている気がした。もちろん玲子さんとのセックスの事だけど。

「今、彼女の事考えてただろ？」

しまった。加藤さんと飲んでいたんだ。加藤さんは焼きたてのネギマを豪快に食べた。

「そういうアンニュイな顔しない奴だったのになー。雅也は」

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