二階堂 馨と言う名の男

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「(やっぱ、呼び捨てすりゃあ、不機嫌になるな…)」 「何でそんな事を聞くのですか?…ってか、何で二階堂さんが西澤さんに成りすましたのですか?」 「(そっちかよっ!!)それは………」 「それは?」 梨恵は、唾を飲み込み馨は、応えがくるのを待っていた。 「単に、お見合いがしたくないだけだ。」 「……………………………はっ?」 その場の空気を壊すかのように、ウエイトレスはサンドイッチをテーブルの上に置いた。 「そんで、西澤にお願いして入れ替わった。ちょうど俺と西澤は背格好が似ているし。」 馨は、サンドイッチを頬張った。 この言葉で、梨恵はさらに問いだした。 「じゃあ、どうしてお見合いとかしたくないのですか?」 「簡単な事だ。金と家柄を目当てにした女がいるからだ。」
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