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パーティーが終わり、別荘に向かう途中、馨は梨恵に言った。
「梨恵、よく頑張ったな。病院に運ばれた時、何も言わずにキツい事を言ってすまなかった。」
「もう、良いよ。過ぎた事だから。」
「これからなんだけど、あのマンションを住まなくなった事になった。」
馨の話によると、千春がここへ来る恐れがあるため、別のマンションに住むことになった。
「今日は、別荘で泊まって、明日は大掃除をしたら、最後の生活になる。」
「……。」
「そんな顔をすんな。梨恵、今回はあの女が原因あるから、気にすることない。俺には、梨恵しかいないんだ。」
別荘に着くと、馨は車の中で梨恵の肩を引き寄せて、抱き締めた。
「梨恵、自分で自分の名前を取り戻したな……おかえり。」
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