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「あのっ。」
「散るでも良いと思うけど、何度も会いに来てくれる貴女には梅も美しい姿を見せたいんじゃないですか?」
「何度も?…なんで、知ってるんです……か?」
初めて会った筈なのに彼は私が梅に会いに来てたのを知っていた。
「ここ。お気に入りなんです。」
そう言って彼が指差したのは珈琲店だった。
暗めの店内に蕩けた月の様な控えめの照明で、外からは見えにくいけれど、中からは丸見えだったのかも知れないと思うと恥ずかしくて消えてしまいたかった。
「珈琲飲みませんか?」
彼はそう言って珈琲店の扉を開いた。
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