鼓膜の記憶③

5/28
前へ
/28ページ
次へ
このおじいさんは朝方と夕方、モコモコした飼い犬を連れて散歩するんだ。そんな事まで知っている自分のヤバさにちょっと嫌気がさすけど。 「すいません、あのう、こちらの家のご主人って……」   玲子さんの家を指差して、「何されてる方なんですか」と聞こうとした。 「ああ。あんたも霧島さんのファンかなんかかい? 最近はあまり人も来なかったけど一周忌だからかね」 .
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加