鼓膜の記憶③

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おじいさんがそこまで言うと犬の催促に耐えきれなくなってきたので僕は軽く会釈をして、玲子さんの家のインターホンに向かった。   わけがわからない。   玲子さんが未亡人だとしたら、何も後ろめたい事はないんじゃないのか?  なんで僕ともう会わないなんて言ったのだろう?  聞きたいことが、問い詰めたい事が沢山ある。冷静さなんて欠片もなく、僕は玲子さんの家のインターホンを押した。 .
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