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空いている電車に乗ると、昼間から酔っ払っている、よれよれのシャツをきた六十代とおぼしき薄汚いおじさんに隣に座られ、小声で話しかけられる。
「なあ、姉ちゃんのあそこ舐めさせてくれよ。舐めるだけだから」
「ごめんね。私、病気もちだから、オーラルセックスはちょっと」
他の乗客には聞こえないように、おじさんよりさらに小声で、淡々とそう言うと、おじさんは小さく悲鳴を上げて、汚いものに触ってしまったかのように私から離れた。
頭のいかれているおじさんに汚いもの扱いされる。
きっとこれが本当の私だ。
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