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毎日がこの繰り返し。
毎日、毎日、毎日。
だから修ちゃんの出張は私の最大の恐怖だ。
どうしていいのか分からない葛藤から自分の髪を抜いたり、荷造りを何度もしたりする。いつもより眠剤を多めに飲んでも眠れない。
最終的には修ちゃんがくれる「おやすみ」のメールをずっと見て、泣いて、泣いて、泣きまくって修ちゃんのパジャマの匂いを嗅ぎながら眠る。
私の存在がなくなって、修ちゃんの体の一部になれないかな。
他の女には触られないとこがいいな。
頭のてっぺんの皮膚とか。内臓とか、血管とか。
一番いいのは骨かもしれない。修ちゃんの骨ならきっと硬くて白くて綺麗に違いない。
そんな哀れな妄想をしながら、修ちゃんを起こさないようにそうっとキッチンへ行って、ピルケースを開ける。
何錠か飲み込んで、眠りが訪れるように目を閉じる。
修ちゃんは真夏の昼間の日差しとおなじだ。明るすぎて、少し薄暗いはずの場所をとても暗いように際立ててしまう。
目の眩むようなその明るさは私の中の暗闇をもっと黒く塗りつぶして、思い出したくない事が、砂の入った袋に穴を開けたみたいにするするこぼれてきて、溢れ出し、またピルケースを開けることになる。
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