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修ちゃんの子どもの母親になる。
そういうおとぎ話みたいにうっとりと甘いことを想像して、でもそれは一等三億円の宝くじが当たったらこうしたいな、ああしたいな、なんて言うのとよく似ているなと思った。
やっぱり出て行かないと。
私は昼ドラをバックミュージックにしながら、お気に入りのボストンバッグに目についた自分の物を片っ端から入れた。
計画性の無い異物の進入に、ボストンバックの形はいびつに膨らんで、あっという間にパンパンになった。
ふと、修ちゃんがホワイトデーにくれたピンクのクマと目が合う。
思わずぎゅうぎゅうクマを抱きしめる。
修ちゃんの骨になれない私は修ちゃんのいない世界で今度は修ちゃんのストーカーになるかもしれない。
これを貰った時、胸がキュンキュンした。
というか本当に幸せだった。
修ちゃんとの生活は幸せすぎた。
甘すぎて歯の痛みが止まらない。
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