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「はい、これお土産」
「ありがとう。こんなに? 太っちゃいそう」
「なんか忙しくて、名古屋がどういうとこだかは、よく分からずじまいだった。まあこれからたまに行く事になりそうなんだけどな」
「仕事だもんね」
「ごめんな。電話したかったんだけど、一緒に行った先輩に飲まされちゃってさあ」
「ううん」
ご当地キャラクターだとか、食べきれないくらいのお菓子を私に渡す、修ちゃんの笑顔に私は安心する。
もう少しだけ、一緒にいてもいいですよ。
と見えない誰かに約束してもらえたような気がした。
箱に入ったチョコレートを「あと一つだけ」と言って全部食べてしまうのと少し似ている事からは目を反らす。
せっかく、誰かに約束してもらったような気持ちになれたというのに、いつものように夕飯を食べていると、突然修ちゃんが爆弾を落とした。
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